葱と鴨。

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人生のピークはいつですか?

 

ロックバンドQueenの有名な曲の1つに『Don’t Stop Me Now』がある。

最初に聴いたのはたぶん高校生の時で、当時は「アップテンポの楽しい曲だな」くらいにしか思わなかった。

ところがこの間、ふとしたきっかけで聴きなおして驚いた。全く、全く違う曲に聴こえたのだ。


 

 

サビの歌詞はこんな感じ

 

Don’t stop me now

I’m having such a good time

I’m having a ball

Don’t stop me now

If you wanna have a good time

Just give me a call

 

意訳すると

「オレを止めるんじゃねぇ、今のオレはまさに絶好調だ! 楽しいことがしたけりゃいつだって連絡してきな」

ぐらいの歌詞で、高校生の自分には確かにそういう風に聴こえたんだと思う。

 

でももし今の私がこれを訳すとすれば、全く違うものになる。

「頼むから今だけは止めないでくれ、オレの人生のピークは今なんだ、長く続かないのも破滅的なのもわかってる。でも今だけは、頼むから今だけは放っておいてくれないか」

たとえばこんな感じ。

 

もちろん曲は変わってないのだから、変わったのは自分の心境なわけだ。

 

高校生の私が実感を伴って理解できていなかった「人生の下り坂」というフェーズの存在を、残念ながら体感として理解してしまった、ということだろう。

 

大学を出て会社に入るときに「ああ自由な人生はこれで終わりなんだ」と悲観したのも束の間、

働きはじめてみたらみたで「なんだ人生のピークはまだまだ先じゃないか」とずっと思ってきたし、なんなら今だってそう思っているけれど、それでもなんだかんだ時間は積み重なるもので、

「今が人生の絶頂だ!」と叫ぶフレディ・マーキュリーに、そこはかとない儚さと悲痛な切なさを感じるぐらいには大人になったのだなと、改めて思ったわけだ。

 

今のあなたにはこの曲、どう聴こえますか?