人気とはwikiの長さである
プロ選手の人気って、「wikiの長さ」だと最近は思ってます。
そんなことを考えはじめたきっかけは、あるプロゲーマーの一言でした。
「なんであんなに僕の名前出るんですかね」
たしかにその人は、配信やSNSで名前が出ることが多い人です。
もちろん全部がポジティブな言葉ではないけど、プロゲーマーも人気商売な部分があるので、名前が出るのは基本的にイイことです。
で、なんでその人が言及されるかを考えてみたら、いろいろ理由があって
そもそも知名度が高いとか
キャラが立ってるとか
代名詞になる試合があるとか
キャリアが波乱万丈だとか
一言でいうと「エピソードが多い」人なんですよね。
エピソードが多いっていうことは、その人の存在が喚起する感情の量、思い出せるシーンの数が多いってことです。それが人の興味を惹きつけるし、存在感にもつながります。
それで、wikiが充実してる人は人気があるということなんじゃ、と思ったわけです。
で、気になってイチローさん、三浦知良さん、羽生善治さん、ウメハラさんみたいな人たちのwikipediaを見にいったら、やっぱりものすごく長いんですよ。
「それ載せる必要ある?」みたいなのも含めて、とにかくエピソードの数が多い。
人気があるからwikiが伸びるっていうのもあるけど、wikiに書きたくなるようなエピソードが多いから人気が出る、っていう方向も確実にあるよね、と思いました。
(私が他の人じゃなくてこの4人を見にいったのも、つまりそういうことです)
この話にはちょっと不都合なことがあって、wikiって1回増えたら減りません。
だから、1回頂点に立った人の人気・存在感を超えるのって死ぬほど難しいんです。
キャリアの曲線とか色んなことを無視して雑に言い切ってしまえば、成績で超えるだけじゃダメで、wikiの長さで超えないと逆転できません。
つまり何が言いたいかというと、プロチームやリーグを運営してる人にとって「それで選手のwikiが増えるか」っていう考え方がひとつ目安にならないかなー、ということです。
なんなら、自分たちでwikiを作って小さいエピソードでも追加してったら、「へぇ」ってなると思います。
羽生さんが子どものころ将棋大会に出る時に、本人は巨人ファンなのに見つけやすくするために親が広島の赤い帽子かぶらせてた、とか将棋とまったく関係ないけど最高に可愛いじゃないですか。
ここまで書いてきていまさらですけど、もちろんwikipediaっていうのはたとえ話で、要は「ファンの頭の中にある、その人について思い出せるエピソード」のリストを増やそうってことです。
SNSでもいいし、配信でもいいし、インタビューでもいいし、オフミーティングでもいいし。
ゲームがうまいうえに自分でアピールもできちゃうナチュラルボーンスターは、放っておいても人気がでます。
でもアピールは得意じゃないけど実はめっちゃ面白い人、って想像以上にいます。
そういう人のエピソードを1個でも多く知りたいし、知ったら人に喋りたい。
ファンとかファン予備軍っていうのは、そういうものだと思うんです。