葱と鴨。

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ウメブラすごかった

スマブラのコミュニティ大会、ウメブラにはじめて行ってきました。

もうすぐ発売のSwitchのスマブラ新作を64以来でやろうかなぁと思っていたタイミングでWiiU最後の大会があるということで、キャラも技も知らないしプレーヤーもあばだんごさんとにえとのさんぐらいしか知らないけどまーどうにかなるでしょと思って行くことにしました。

 

で、決勝まで見て帰ってきたんですけど、じわじわ後から後から「ウメブラすごい」っていう気持ちになってきたので、その話をします。

 

たぶん一番染みたのは「ああ、これは家庭用ゲームだからこそ生まれたコミュニティなんだろうな」っていうことです。

ゲームセンターでプレーすることが基本だった格闘ゲームのコミュニティがちょっとヤンキーの空気をまとっているように、オンラインで見知らぬ人とプレーするLoLのコミュニティが色濃くネットの空気をまとっているように、スマブラコミュニティも特有の空気を感じました。

多分それは、「友達の家に集まってゲームしてた空気」と言っていいと思います。

 

私のメインゲームはもう5年ぐらいLoLなんですけど、オフラインで誰かと一緒にゲームしたこと1回もないんですよ。ネットカフェはあるけど隣の人とはしゃべらないし、一緒に遊んでる人はオンラインの向こうにいて、ながらく一緒にゲームしてるメンバーもほとんどは会ったことがない人たちです。

で、スマブラの「友達の家に集まってゲームしてた空気」を久しぶりに感じたらなんかものすごい懐かしくて、あの子の家にコントローラー持って行ってたな、家の人がポテトチップスと麦茶とか出してくれたな、とかそういう記憶が一気に蘇ってきました。

会場で座ったパイプ椅子の右も左も、年齢も仕事も腕前も全然違うであろう人たちがスマブラの話をしてて、配信台でプレーしてる人のことをちょっとゲームがうまい友達みたいな感じで話してて、2018年にスマブラっていうゲームの周りにこんな空気が存在していること自体がほとんど奇跡だと思いました。

 

もちろんゲームの性質だけじゃなくて、大会を作って運営していろんな調整や折衝をしてきたであろう主催者がいて、彼を支えたスタッフたちがいて、WiiUゲームキューブを持ち込んで提供するプレーヤーたちがいて、その途切れない献身がこの空気を作っているんだと思います。

会場は広いしスポンサーもついてるしプロ選手だっているけど、でも「友達の家の雰囲気」がたしかにする。

 

たぶんこのウメブラの空気は、他のゲームとかで再現しようとしても難しいとも思います。ゲームの性質や、プレーヤーの気質や、リーダーシップをとった人たちの個性や、彼らが通ってきた歴史が、あの空気の中には色濃く染み込んでいます。

 

ふらっと1回見に来ただけのやつに言われても嬉しくないかもしれないけど、それぐらい奇跡的な場所に見えました。

ウメブラすごい。スマブラ勢の発する「コミュニティ」っていう言葉は強すぎる。

あの空気がずっと続いていってほしいなと、そしていつか自分もあの輪に混ざりたいなと思いました。