葱と鴨。

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だからやっぱり、男性も日傘を差そう。

意外なほどに「それは男子だけじゃない」という反響が多かったみたいで、驚いたのでちょっと思ったことを書いてみたい。

 

この話をする時にいつも自分が思い出すのは、日傘とエステ。

 

男性の日傘は、毎年のように「日傘男子が来る」「男性用が売れている」というニュースになるけれど、実際に使っている身としては全く「来て」いないと思う。

道行く人々は結構な割合で怪訝な視線を向けてくるし、私の知り合いに日傘使用男性は一人もいない。

男女問わず、日傘を使ったことがない人は日差しのきつい日に一度持ってみて欲しいのだけど、あれは本当に快適です。

常に日陰を歩ける、ということがどれほど偉大なことかわかると思うので、是非試してほしい。特に男性は、日傘を差した男性に怪訝な視線を向けるのも面倒なくらい、多くの人が使うようになれば個人的にもありがたいです。

日傘男性への偏見を消すよりも、快適さという実利で人を増やしてしまうことの方がよほど現実的に見えてしまうのは残念なことですが。

 

 

ちなみにエステは、こんなエピソードとして思い出す。

女性「週に1回エステに行ってます」

→「やっぱりケアは大事だよね」

 男性「週に1回エステに行ってます」

→「ナルシスト気持ち悪い。運動したら?」

 

この反応は、男女問わず一様なのが面白い。

でもなんとなくその理由には思い当たる節があって、

 「外見をケアできる」という特権を手放したくない女性と、

「外見をケアしなくていい」という特権を手放したくない男性

 の利害が一致しているんだと思う。だから逆に、

 「外見をケアしなくてはいけない」という義務に苦しむ女性と、

「外見をケアすることができない(ばれると馬鹿にされる)」という無権利に苦しむ男性

 の利害は、「誰が何をしてもいいじゃない」という空気を大きくする、という点で一致するところがあると思うんだけれども。