葱と鴨。

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PUBG、Fortniteが流行った理由を考える

日本でMOBAが流行らない理由という話が盛り上がっていたので、それはみんなに任せることにして、前から考えてた「世界でバトルロイヤルが流行った理由」についてまとめてみる。

 

私が知っているのはPUBGとFortniteで、特にバトロワの基本型に近いPUBGをイメージしてもらうとわかりやすいと思う。



それでは早速バトルロイヤルゲームのいいところ

 

1.覚えることが少ない(ように見える)

 

 最近のゲームは覚えることが多い。コンボとかフレームとかクールダウンとか効率とか。

FPSがもともとジャンルとして直感的なのに加えて、生き残るというルールのシンプルさもあってわかりやすい

実際は武器や乗り物のポップ場所とかあるんだけど、ほとんどのプレーヤーにとってそれは「覚えること」に入ってない。運と勘が勝負を分けるように見えることが参入のハードルを下げてる

 

2.負けてもイライラしない

 

そもそも100人に1人しか勝てないから負けがデフォルトで、負けてもイライラしない。でも勝った時はめちゃくちゃ嬉しい。

しかも負けた瞬間にゲームが終わるから、不利になりながら追い詰められる時間が存在しない。

LoLで敗色濃厚の15分は楽しくないし、味方がサレンダー通してくれなかったらもう最悪

負けそのものよりも、じりじり追い詰められる時間の方がストレスな人も多いはず

 

3.人間と戦ってる感じが薄い

 

LoLや格ゲーは同じ人としばらく向き合うから、「この人ゴリゴリくるな」みたいに相手の人間性を感じる場面がある。でもバトロワは遭遇したら撃ち合って死ぬから、それがあんまりない。

だから、(煽られない限り)人に負けた感じが薄い。

相手に負けたっていうより、自分が死んだっていう感じ。PvPだけど、感覚的にはPvEに近い

100人中何位でした、っていう結果の出方も勝ったor負けたよりも「自分の成績」に目がいくようになってる

 

4.味方の足を引っ張る罪悪感が薄い

 

自分が弱くてもやられるだけだし、LoLみたいに味方に怒られたりしない。だから友達と一緒にゲームしても険悪にならない。かっこ悪い死に方はむしろ笑ってもらえる

逆に連帯感はアイテムの共有とかでちゃんと感じるから、マルチプレーの楽しさも大きいし実力差があっても組みやすい

 

5.KDAもランクもそこまで意識されない

 

ゲームのデザインとして、相手の強さも見えないし自分の強さも見られない。客観的に自分の弱さを突き付けられる場面が少なくて、劣等感を感じるタイミングが少ない



総じて言うと、適当にも遊べて、ストレスになる要因が少なくて、負けても精神的なダメージにならない作りになっている。

これはRiotの齋藤さんも言ってたけど、短い動画にしてSNS映えするのも要素としては大きかった。

なんにせよパーティーゲームとしてとても良くできてて、流行ったのには理由があったと思う。

 

ただ逆に言うと成長とか発見を自然に感じるポイントが少なくて、自分で細かく課題とか修正点を見つけるタイプじゃないと飽きが来るのがはやいと思う

そしてそういうタイプにとっては、現状ではLoLや格ゲーの方が奥深く感じそうな気がする

PUBGの人口は結構減ったし、Fortniteがこの勢いをどこまで維持するかは気になるところ。

 

ということで、バトルロイヤル形式は本当に革新的な発明だった。

でも、出てきた瞬間の「すべてのゲームを過去にする!」みたいな高揚感はさすがに落ち着いてきて、いいところと物足りないところが見えてきた段階なんだと思う。

なんにせよ新しいジャンルが勃興する瞬間はテンション上がるから、また何かが来るのを楽しみにしていようと思う