極振りの誘惑
極振りというゲーム用語がある。
力や素早さのようなパラメータを自分で振り分けられるゲームで、どれか1つだけを集中的に伸ばすという意味だ。
メリットは力勝負、素早さ勝負みたいな特定の状況で必ず勝てること。
デメリットは、苦手な状況に対応できないこと。
このメリットの誘惑が強烈で、「もしここで1ポイント攻撃力を減らして、相手のHPが1残って負けたらどうするんだ」という考えが頭をよぎると、他のパラメータに割り振るのが怖くなる。
ちなみに私はだいたい何のゲームでも、素早さ極振りの盗賊系ジョブが好きです。
そしてこの「極振りの誘惑」は、リアル人生でもよく遭遇する。
「勉強も人間関係もぜんぶ捨ててゲームの練習をしたい」とか、
「文化祭の準備なんかに時間を取られて、受験に落ちたらどうするんだ」とか。
これは最近の教育も影響してて、「誰にも負けないものを1つ作れ」とかよく言うじゃないですか。あれ系の言葉は、生徒には極振りのススメに聞こえます。
極振りの落とし穴
で、極振りにはいくつか落とし穴があります。それも結構大きいやつが。
・まず単純な成長量で言うと効率が悪い。
何でも始めた最初はすごいスピードで伸びるけど、一通り学習した後はどうしてもスピードが鈍る。とても細かい努力を積み重ねて、やっと少しだけ伸びた実感が得られたりする。
(パワポスキルが皆無なのは許してほしい)
他のことに少し時間を割くだけで、効率よく伸びる部分を美味しいとこ取りできるケースは結構ある。
・あと、「〇〇は凄いけど、他のところがダメだから〇〇的にもダメ」となる可能性がある。素行が悪いとか、コミュニケーションに問題があるとか。これは単純にもったいない。
・極振りしたものが成功しなかったときに困る。
成功した時の収入が億を超える野球やサッカーですら、親は高校や大学へ行かせようとする。今のプロゲーマーならなおさらかもしれない。
極振りにはロマンがある
ただ、じゃあ極振りなんかやめればいいかというと、そうとも言い切れない。
極振りしないとたどり着けないレベルというのは確実にあって、各界のトップランナーにはそういうタイプの人も結構いる。将棋の羽生さんとか、かなり能力のバラつきが大きいけど極振りがハマって超一流になった人はいて、簡単には否定できない。
あと、やっぱり極振りにはロマンがある。
マンガでも、「全ての能力がハイレベルなキャラ」より「誰にも負けないものを1つだけ持ってるキャラ」のが魅力的じゃないですか。NARUTOのロック・リーとか、ハイキューの山口とか、ヒロアカやワートリの登場人物たちとか。
自分でも何の話かわからなくなってきたのでまとめますが、極振りにはロマンと可能性がある代わりに、リスクがあるということです。
0:100なのか、20:80なのか、10:10:10:10:60ぐらいなのか。
持ちポイントには限りがあるので、ステ振りはとても大事です。ご利用は計画的に。