WCSすごかった
WCSすごかった。
1日たってもまだ頭の中に残ってるので、文章にしてちょっと落ち着きたい。
DFMのあの2試合、SPY戦の勝利、そしてISG戦のあの最後の30分は当分忘れられなさそうな気がする。
スポーツっていうのは本質的に、どこまでいっても他人事だ。
ドイツでISGと戦っていたのはDFMのメンバーであって、私ではない。
だから彼らが勝とうが負けようが、私たちが人生で抱えている問題が解決することはない。
テストでいい点が取れたり、就職がうまくいったり、割のいい仕事が降ってきたり、素敵なパートナーと出会ったりはしない。しないんだよ。
だけどその他人事のはずの試合を、私も含めてあれだけ多くの人が、PCに張り付いて、スマホにかじりついて、全身を強張らせながら、わーとかおーとか言いながら観ていたことになる。
これは改めてすごいことだ。
スポーツが持っている力の中心は他人事を自分ごとだと錯覚させる力で、スポーツファンの能力は他人事を自分の人生の一部だと錯覚する能力なんだと思う。
この2つが細い確率をすり抜けて出会った場所でしか、あの感覚は起こらない。
日本のLoLサーバーはプレーヤーの数に対してプロシーン視聴者の数が多いと言うけれど、それでもあの放送をリアルタイムで観ていたのは日本のLoLプレーヤーの3分の1もいない。日本人全体で言えば0.05%にも満たない。
選手は当然だけど、ファンだってそれなりに特殊な人間なのだ。
そしてそれは、ファンでもアンチでも変わらない。
DFMの試合を観ながら勝利を願っていた人も、手のひらクルクルを楽しんでいた人も、終始悪態をついていた人も、自分の人生に他人事を取り込もうとしていた点では全く変わらない。
もし本当に他人事だから関係ないと思うのならさっさと自分の人生に戻ればいいわけで、そうする人も世の中には結構いるわけで、それをしなかった時点でまぁ大体同じ人種なんだと思う。
せっかくだから仲良くできたらいいのに。
自分の理想や成功を目指して、他人事には脇目も振らず走る人生は尊いのだろう。ただ、ほとんどの人はそのように生きてはいない。
誰か他の人が何か真剣にやっているのを観て、勝手に勇気をもらったり感動したりしながら、なんだか自分の人生までどうにかなったような気になりながら生きているのだ。
それはそれで、案外悪くないことなんだと思う。